王儁 子文(おうしゅん しぶん)
姓：王
名：儁
字：子文
生没年(?-?)
出身地：豫州汝南郡
親：
子：
若い頃から名を広く知られた人物で、若き日の曹操とも仲が良かった。
表情は穏やかで、人の心理をつかむのに長けていたという。
曹操が平民であったころ、王雋は曹操とともに、南陽で袁紹の母の葬儀に参列した。
袁術も参列していた。
曹操は外に出て王儁にこっそりと、「天下が乱れようとしているが、その中心人物となるのはこの二人だ。
人民の命を救おうとするならこの二人を始末しないと動乱が起きる。」と耳打ちした。
王儁は「君の言葉通りなら天下を救うのは君以外に誰がいるのだい？」と答え、二人は向かい合って笑った。
朝廷からの任命に応じず、兵難を避けて武陵に移住したが、彼を慕って従う家族は百戸にものぼった。
献帝が許昌に移った際も王儁を呼び寄せようとしたが、王雋は応じなかった。
劉表が袁紹に味方すると王儁は劉表に向かって、
「曹操は天下の英傑であり、大業を成す者であるのに、
あなたはなぜ近くに味方せずに遠くを助けるのですか？突然の危機が起こった際に、
北方の砂漠からの助けを待つというのですか？」と言ったが劉表は聞き入れなかった。
64歳で武陵で亡くなった。曹操は荊州を平定すると自ら王儁の遺体を引き取り、
江陵に改葬して王雋のことを称えた。(魏書・武帝記)
「演義」には登場しない。
王儁と曹操のやり取りを読むと、袁紹と袁術の野望は若い頃からかなり有名であったということを
感じ取ることが出来ます。また、曹操の若い頃のエピソードとして、とても興味深い話です。
おそらく劉備びいきの「演義」では削られてしまったのでしょうが、
曹操を主人公にした物語なら、取り上げられるべきエピソードではないかと思います。
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