夏侯令女(かこうれいじょ)


姓:夏侯
名:令女
字:
生没年(?-?)
出身地:
親:夏侯文寧
夫:曹文叔
子:

夏侯文寧の娘。曹爽の従弟である曹文叔と結婚したが、 文叔は早死にしてしまったため、子供のないまま未亡人となってしまった。 服喪が終わると彼女は実家に必ず再婚させられると思ったので自分の髪を切り取って変わらぬ心を表そうとした。 それでも親族は再婚させようとしたため、その話を聞くと彼女は即座に自分の耳を切り落としてしまった。 曹爽の元に引き取られて暮らしていたが、 曹爽が殺されると彼女の叔父は彼女と曹氏との縁を切って彼女を無理矢理に引き取った。 父の文寧は彼女が若いのに操を立てて頑張っているのを不憫に思い、秘密裏に人をやって、 それとなく結婚の話を持ち掛けた。 彼女は悲嘆に暮れて涙を流しながら「それが正しいのかもしれません」と言ったので家族の者は安心して、 警戒を和らげた。しかし彼女は寝室で今度は自分の鼻を切り落として布団をかぶって横になっていた。 家族のものが気付いた時には寝台が血だらけになっていた。

ある人が彼女に「どうしてこんなことまでするのです?もうご主人のご一門は皆殺しにされているのに、 誰のために操を守るのですか?」と説いた。彼女は「仁者は盛衰によって節義を改めず、 義人は存亡によって心を変えないものだと聞いております。 曹氏が盛者であった頃でさえ最後まで節義を通そうと思っていたのに、 今は滅亡してしまってどうして見捨てられるのですか?」と答えたという。 司馬懿は彼女を称え、養子をもらって養育し、曹氏の後継ぎにすることを許した。 このことで彼女の名は有名となった。 (魏書・曹真伝)

「演義」でも同じ事績が、ほぼ同じセリフで引用されている。


亡くなった夫のために自分の耳や鼻を切り取ってしまうなんて凄すぎる! ここまでされるとあの世で旦那さんも落ち着いてはいられないかも!?
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